アイルランドの労働者の生産性、世界第1位に

Irish workers ranked most productive in the world

アイルランドの労働者の生産性が世界第1位として経済協力開発機構(OECD)によって評価されました。OECDの最新の調査によると、アイルランドでは労働者1人あたり1時間99.50ドル(88ユーロ)がGDPに加算されているとこのことです。

アイルランドに次ぐ第2位がノルウェーの1時間あたり83.10ドル(73.55ユーロ)で、第3位がドイツの1時間あたり72.20ドル(63.90ユーロ)です。

アイルランドの生産性はOECD平均の54.80ドル(48.50ユーロ)の約2倍となっています。

また、アイルランドは、英国(61.10ドル=54.08ユーロ)、米国(72ドル=63.73ユーロ)、フランス(69.60ドル=61.60ユーロ)を含めた世界有数の経済大国の一部よりも上位にランクされています。

アイルランドの経済成長

OECDは、労働生産性は経済成長の推進と生活水準の向上の重要な要素であるとしています。労働時間1時間あたりのGDPは、労働生産性の基準であり、生産工程で労働投入量がどの程度効率的に他の生産要素と組み合わせられ、使用されているかを示します。

OECDによると、生産性は多くの国で経済危機前よりも低いままであるだけでなく、英国、カナダ、米国などでは2000年代前半以降は経済が停滞しているとのことです。

全体的に、依然として製造業における生産性の伸びはサービス業よりも大きくなっています。

ビジネスサービス産業では、情報通信サービスがアイルランドの成長をけん引しています。

OECDの調査では、ほとんどの国で中小企業と大企業間の生産性格差があることが確認されています。アイルランドのように国際的な大企業が多数集まっている国は、生産性向上の恩恵を受けています。

KBC(Knowledge-Based Capital)への投資も重要です。知識産業で技能を身に付けて働いている労働者によって経済成長と生産性の拡大が促進されています。過去10年間にわたってテクノロジー関連企業が流入したことで、アイルランドは知識産業で目覚ましい成長を遂げました。

生産性パラドックス

OECDの調査結果から、1990年代中盤からほとんどの先進国に影響を及ぼしている経済成長の不活発化傾向をアイルランドは跳ねのけていることがわかります。

ほとんどの西洋諸国は、テクノロジーの急速な変化、グローバルバリューチェーンの利用の増加、教育レベルの向上にもかかわらず、生産性向上の観点では成果が上がっていないという「生産性パラドックス」に悩まされています。

1990年代以降、アイルランドは生産性を2倍以上増加させましたが、英国、ドイツ、フランスなどの国々は下落傾向を反転させることができていません。